【D Tech.11】表示機器とPC

サイネージなどの表示機器は多くのシステムで利用されている事と思います。弊社のお客様でも使用するディスプレイは様々です。市場を見ると昨今はDVI搭載のモニターが減少傾向にあります。DVIにはコネクタを固定する機構があり、振動の多いアプリケーションなどに有効でした。現在ではHDMIやDisplayPortでもそのような機構があるコネクタもあり、代用が可能です。今回はPCと表示機器との接続における仕組みや注意点などに触れていきたいと思います。

<画面が映るまでの流れ>
ここではWindowsがディスプレイの解像度を取得するまでの流れを説明します。下図のようにOS→グラフィクスドライバ→グラフィクスコントローラ→ディスプレイ→EEPROMの順番に解像度情報を取得しにいきます。この解像度情報を含んだ情報をEDID(Extended Display Identification Data)と呼び、リフレッシュレートや型番なども含まれています。ここで取得したEDIDは同じ経路を辿ってOSまで受け渡され、このEDIDに合った映像出力をディスプレイに表示します。
<BIOSの画面表示>
BIOS起動時には上記の様なやり取りはせず、POSTでディスプレイを認識し、BIOSに保存されている解像度を表示させます。これらはUEFIの場合はGOPドライバによって処理されます。表示先はBIOSの設定によって異なります。例えばDVIに指定している場合には、AnalogRGBの出力にはBIOS画面が表示されません。
BIOSを抜けてOSが起動する際にグラフィクスドライバを読み込み、OSで設定した解像度で画面が表示されます。BIOSでの表示先の設定やどのような解像度を持たせるかはBIOSカスタマイズで対応可能ですのでご相談ください。

<画面構成が崩れる問題>
複数画面を使用するシステムをご利用のお客様は画面構成が崩れてしまい頭を悩まされることはありませんでしょうか。特にDisplay Port接続時にはその仕様上、省電力モードやトラブルでディスプレイの電源が切れてしまった時にデバイスの認識が外れてしまう為このようなことが起こります。これを防ぐにはHot Plug検出信号が常に維持されるような仕組みを入れる必要があります。Display Portを使用する場合は、パッシブタイプの変換ケーブルなどでHDMIやDVIに変換することで回避することもできます。(専用の変換ケーブルを用意している機種もございます)

また、何かしらのトラブルで接続自体が切れてしまった時には接続方法に関わらず画面構成は崩れてしまいます。弊社の一部のボードではこういった場合でも画面構成を保持する仕組みを入れることが可能です。使用条件などもありますが、このような問題を抱えているお客様は弊社までご相談ください。