【D Tech.08】CPUの種類と選定

インテル®製品は非常に種類が多くそれぞれに特徴を持っています。その中から適したCPUを選定するにはインテル®製品の全体像を知っておくとより選定がスムーズです。そこで今回はCPU選定の手助けになるよう、弊社が使用している製品を中心にシリーズごとにまとめておりますので皆様の業務にお役立てください。

<組込み向けプラットフォームの分類>
組込み向けのIntel®プラットフォームは主にServer, Client, Entryに分かれています。

■Server/Workstation
コア数や動作周波数が大きく、同時に消費電力も大きいです。16コア以上などの処理能力を要する場合は選定対象になります。サーバーやワークステーションに採用されることが多いです。
主にXeon®プロセッサーがこのランクに属しております。
■Client
ノートPCやデスクトップPCなどに採用されるようなインテル®Core™プロセッサーが代表例です。Severクラスほどではありませんが、コア数も多くCPUクロックも比較的高いためエッジでの高度な処理に適しております。
■Entry
主にAtom®プロセッサーがこのランクに属しており、機能は限られる分、超低消費電力かつ低価格です。市場ではタブレットや低スペックなノートパソコンなどに採用されています。


<Client CPUの分類>
ここからさらに機能や消費電力でシリーズが分かれており、弊社が使用しているMobileと呼ばれる分類のCPUを中心に解説いたします。MobileのCPUは比較的低消費電力ながら高いパフォーマンスを持っており、エッジ端末に最適です。

■Intel®Core™ Hシリーズ
一部のXeon®プロセッサーとCore™プロセッサーがこのランクに属しております。
HシリーズはCPU単体でも機能は高いですが拡張性も高く、グラフィックカードや機能拡張が必要なアプリケーションに適しています。弊社でもLANポートやPCIeの増設、PCIeからPCIへの変換といった拡張カードと一緒にご提案しております。PCIeについては最大16レーンの出力も可能です。FA機器やエッジAIサーバーなどに導入実績があります。
弊社製品ではHFMB-85, HFMB-80などが該当します。
■Intel®Core™ Uシリーズ
Core™プロセッサーとCeleron®プロセッサーがこのランクに属しております。
Uシリーズは低消費電力なためファンレスで使用することも可能です。cTDPと呼ばれるTDPが可変な製品もあり、TDPを低くして温度範囲を広く設定したり、TDPを高くして性能重視で使用したり、シーンによって使い分けることが出来ます。第11世代のUシリーズはcTDPを採用しており、なおかつ温度範囲が広いので耐環境性に優れています。
Hシリーズと比較すると拡張性が下がりますが、第11世代のUシリーズでは、GPU性能も大幅に向上しておりローエンドのGPUカードを使用している場合は、GPUカードなしでの運用も検討できるかもしれません。
また、Uシリーズは1chipになっていることも特徴の一つです。アプリケーションではAIロボットなどに導入実績があります。
弊社製品ではHFBX-600T, HFBX-500が該当します。
■Intel Atom® Eシリーズ
Eシリーズの中心はIntel Atom®プロセッサーです。
Uシリーズと比べてさらに消費電力が小さくファンレスでの運用が多いです。機能は限られますがコストが低い為、表示のみのアプリケーションやゲートウェイなど軽負荷かつ台数の多いアプリケーションに適しています。また、VGAやXGA程度の動画であれば複数同時にエンコードをこなせる能力も有しています。アプリケーションはサイネージやインフラ設備、製造装置など幅広い導入実績があります。
弊社製品ではHFBX-200, HFMB-57などが該当します。
大雑把な説明となりましたが、個々のCPUでもそれぞれに特徴があり、そのような情報はインテル社様とのパートナー関係とこれまでの実績からご提案が可能です。CPUボード・PCの選定でお悩みでしたらぜひ弊社までご相談ください。