【D Tech.06】CPUボードの拡張性

 グラフィックボードなど、機能拡張ボードを使用する際にはPCIeのレーン数は重要です。CPUボードの選定や、カスタム/セミカスタムボードを検討する際に頭を悩ませる事も多いのではないでしょうか。CPUによっては要求を実現できず、2枚構成になったり、FPGAの設計も必要になるケースがあります。そうなると開発費も大きくなり、思うようにプロジェクトが進まなくなってしまいます。今回はPCIeにフォーカスして解説しますので、CPUボード選定の参考になさってください。

<PCIeの留意点>
 PCIeのレーン数やポート数はCPUによって制約があります。それぞれのCPUについてwebで調べることも出来ますが、PCIeはSATA/LAN/USB3.0に使用されることもあり、一部はトレードオフの関係になっています。公開情報だけでは分かりにくい部分なので、協議しながら進める必要があります。
 PCIeは高速の差動信号であるため、設計段階から気を使います。例えば、基板のインピーダンスや使用する部品の選定、パターンの引き回しなどです。また、検証では、社内でコンプライアンステストを実施し、信号品質に問題がないかを確認しています。もちろん、実動作による試験も欠かせません。

<様々な拡張方法 >
 フルカスタムでインターフェースを指定することもできますが、PCIe拡張カードで比較的安価に実現する方法もあります。例えば弊社ではLAN4chカードやCOM4chカードなども標準で持っており実績があります。PCIeのレーン数が足りない場合にもPCIeスイッチを搭載した拡張ボードで[x4]を2本に増設するといった対応例もあります。ただし、対象としているCPUによって対応範囲は異なりますので注意が必要です。
 弊社の扱うような低消費電力CPUではPCIe[x16]を搭載しているボードは少ないです。ですが、PCIe[x4]でも[x16]のGPUカードを動作させることは可能です。スペックの制限が出てくるため用途によって十分に検証する必要があります。また、現在弊社が開発中のWorkstationはPCIe[x16]×1を実現しています。
 拡張方法でお困りの際は弊社へお問い合わせください。様々なパターンでの実績を元に、要求に合ったご提案を致します。