【D Tech.02】BIOSの変遷とUEFI

昨今PCのファームウェアはUEFIが主流となっています。
今でも会話の中ではBIOSと言ってしまいますが、Legacy BIOSとUEFI BIOSでそれぞれ区別します。
元来、数社のBIOSベンダーが独自構造のBIOSを開発し、ハードウェアベンダーに提供していました。これがLegacy BIOSと呼ばれています。
これではプラットフォームの違いによる課題があり、Intel®が共通規格のBIOSとしてEFIを提唱しました。
このEFIを元に、大手メーカーの合意後、統一的な仕様としてUEFIが定められました。
そして現在では各BIOSベンダーがこのUEFIに適合したBIOSをハードウェアベンダーに提供しています。これがUEFI BIOSです。

それではLegacy BIOSからUEFI BIOSになりどのような恩恵がもたらされたのか見ていきましょう。

■メリット

①異なるハードウェアでも、上位は同じプログラムが使える。
 UEFI BIOSは実際にはLegacy BIOSと別物ではなく、Legacy BIOSを拡張したものであり、その拡張部分はCPUなどのハードウェアに関わらず使用できます。

②統一された仕様、モジュール構造で開発時間が短縮できる。

③互換性を保持しながら、一方で拡張性がある。

④マルチタスクにより、BIOSの処理時間が短縮できる。
 Legacy BIOSではハードウェアの初期化など、1つずつしか処理できませんでしたが、UEFIでは複数同時に処理が可能なためOS起動までの時間を短縮できます。

⑤新しいOSと高い親和性があり、OSの起動も高速化する。

⑥仕様が統一されたシェルで動作する共通プログラムを作れる。

⑦セキュリティを担保した、セキュアブートにより安全な起動環境を実現できる。

■デメリット

①古いOSでは動作しない。
 Windows7の32bit版では動作しないなど、産業用途で長く使われている機器などでは使用できない事があります。ただ、UEFIがサポートしていないような古いOSは供給が終了してきているので、今後の新製品を考えられる際に心配の必要は無さそうです。

②中身がオープンソースでどれも同じプログラムのため、虚弱性を利用されてウイルスの感染対象にされる。

普段ノートパソコンなどでは触れる事の無いBIOSですが、このように変遷を遂げてきました。
弊社は創業当初よりBIOSのカスタマイズをしてきた実績もありますので、BIOSでお困りの際にはぜひ弊社へご相談ください。
次回はBIOSの設定項目について解説したいと思います。