【D Tech.01】BIOSの役割

BIOSとは「Basic Input/Output System」の略であり、ボード上のCPUやHDDなどのハードウェアを管理・制御する、PCの最もベースとなるシステムです。
BIOSの役割を3つに分けて紹介します。

①OSが起動するにあたってハードウェアが動作する準備
CPUやメモリ、PCI Express I/FやUSB I/Fなどを初期化します。
デバイスに合わせてメモリのクロックやSATAの伝送速度も決定します。
ストレージがSATA Gen3対応でもCPUがSATA Gen2の場合はGen2が使用されます。

②CPUボード固有の設定をカスタマイズ
起動時に任意でセットアップメニューが開けるので見たことある方も多いと思います。
ここでは内蔵時計やカレンダーの設定、起動デバイスの選択などが可能です。
他にも停電から復電した際の動作やCPUのパフォーマンスを制限することなど、設定項目は多岐にわたります。
機種やBIOSによっては表示されない項目もあります。
BIOSの設定内容は通常、バッテリーが切れるもしくは外された時に初期値に戻す設定になっています。これがCMOSクリアです。
CMOSクリアをすると時刻情報も初期化されるため19xx年などズレてしまいます。

産業機器ではネットワークに繋がっていない機器が多く、
このような状態で起動するとおかしな時刻のまま稼働しログが残ってしまいます。
そのため弊社ではBIOSをカスタムし、バッテリーが切れた際には起動しないようにするなどの対応をすることもあります。

③ハードウェアの自己診断
通常、PCに電源を投入するとまずBIOS ROMからBIOSを読み出します。
BIOSの設定に従い接続機器をそれぞれ初期化し、CPUやメモリ、ストレージなどのハードウェアを自己診断します。
この自己診断をPOST(Power On Self Test)と呼びます。
起動時にBIOSメーカーのロゴと英語が並ぶ画面がPOSTの進捗と結果を表示しています。
POSTでハードウェアを正常に認識しているかチェックし、ここで問題が無ければOSの起動へと移ります。
問題があるとエラーコードが表示され、それに応じた対処が必要とされます。

最近ではUEFI BIOSを利用した機器が多くみられるようになってきました。
これまでのBIOSとはどう違うのか、そのメリットなど、
次回UEFI BIOSについてご紹介したいと思います。